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    子宮内の細菌は超微量…って、どのくらい?

    こんにちは。
    子宮内の菌環境を調べる「子宮内フローラ検査」など、ゲノムテクノロジーを応用した検査の開発・提供をしているVarinos(バリノス)です。

    今回は、「ヒトのからだにいる細菌」に注目し、それらと比較し、超微量と言われている子宮内の細菌はどのくらいと考えられているのかをご紹介します。

    細菌と共存する私たち

    ヒトのからだの中にはたくさんの細菌がいます。
    どんな細菌がどのくらいいるかは、明確な数字を出すことはできません。また、個人差もあれば、体調でも変化します。

    ヒトのからだにいる細菌について調べると、“1gあたり”や“1mlあたり”という表現を使い、細菌数を表しているものが多いのですが、そこからそれぞれのからだの部位にどのくらいの細菌がいるか想像するのは難しいですよね。

    そこで、からだの部位ごとに細菌数を掲載しているレポートがありましたので、ご紹介したいと思います。

    「大野 博司氏『生物試料分析 Vol. 41, No 3 (2018)腸内細菌と宿主の生理・病理』を参考に作成」

    胃は1万個、口腔は100億個、皮膚や小腸・生殖系はそれぞれ1兆個ほど、大腸は一番多く40兆個以上ということです。部位によってだいぶ違うということがわかりますね!

    子宮内の細菌は腟の100~1000分の一

    近年まで無菌と言われていた子宮。超微量と言われているだけに、一体どのくらいなのか気になりますよね。

    子宮内の細菌は、腟の100~1000分の一 くらいなのではないかと考えられています。生殖系(1兆個)に腟も含まれる と考えるとどうでしょうか?

    「億」「兆」という単位で語られる細菌の世界。
    その中いう『超微量』は、一般の方からすると「そこそこの数」と思われるかもしれません。しかし、次世代シークエンサーという高速でDNA配列を解読できる超高性能な機器が開発されたことで、やっと子宮内にも細菌がいるとわかったのです。そう考えると、細菌の世界観では、やはり超微量なのです。

    ただ、超微量だからといって、からだに何の影響もないというわけではありません。近年の研究で、この超微量な細菌が妊娠率に影響することがわかってきました。

    ↓詳細はこちら
    【専門家に聞く】子宮内フローラと妊娠率・生児獲得率の関

    また、慢性子宮内膜炎や子宮内膜症、子宮頸がんへの影響も言われ始めています。

    腸内フローラや美肌フローラは、健康や美容の面から大切な存在として、見聞きしたことがある方も多いと思います。女性は、腸内フローラや美肌フローラに加え、子宮内フローラというものが存在することを、ぜひ覚えておいていただければと思います。

    子宮内フローラ検査や子宮内の菌環境が良くなかった際はどうしたらよいのか?については↓こちらから。
    【専門家に聞く】子宮内フローラ検査で「わかること」と「向き合い方

    この記事の監修者

    Varinos株式会社
    創業者 代表取締役CEO
    桜庭 喜行

    埼玉大学大学院で遺伝学を専攻。博士取得後、理化学研究所ゲノム科学総合研究センターでのゲノム関連国家プロジェクトや、米国セントジュード小児病院にて、がん関連遺伝子の基礎研究に携わる。その後、日本に初めて母体血から胎児の染色体異常を調べるNIPTと呼ばれる「新型出生前診断」を導入したほか、医療機関や研究機関に対し、NIPTやPGT-Aと呼ばれる着床前診断などの技術営業を経て、2017年2月にゲノム技術による臨床検査サービスの開発と提供を行うVarinos株式会社を設立。同年、子宮内の細菌を調べる「子宮内フローラ検査」を世界で初めて実用化するなど、生殖医療分野の検査に精通。